- 多汗症の人が、実際にやっている仕事の体験談を聞きたい。
- 多汗症でどんな職業につこうか迷っているので、実際に多汗症の人の意見が聞きたい。
- 実際に、汗かきによって、仕事上でどんなことに困っているか知りたい。
多汗症の人は、汗で学生生活でいろいろ苦労してきたと思います。当然ですが、社会人になってからの人生の方が長いです。その社会人生活は、どんな職業のどんな企業に就職するかで、大きく変わってきます。
つまり、職業選択が重要です。
そこで、多汗症という病気(当時はただの汗かき)を持ちながら、アルバイト経験を含めて社会人経験が30年となる「汗かき侍」が、実際に経験した仕事(アルバイトを含む)を紹介します。
それぞれの仕事について、汗という視点で、メリット、デメリットも含めて紹介します。
この記事を読むと、多汗症の「汗かき侍」がやってきた仕事と、汗とのかかわり方が分かります。
それぞれの仕事で汗で困ることは少しはありますが、特におすすめは25年間やってきたITエンジニアはおすすめです。特に近年は、リモートワークなど、汗かきには望ましい環境で働ける可能性が十分にある職種です。就職先に悩んでいる多汗症の方の参考になると幸いです。
多汗症の汗かき侍がやった仕事

大学時代から現在まで、アルバイトを含めてやった仕事についての、体験談を書いていきます。
まず、やったことがある仕事は以下です。
- スパーのレジ打ち(アルバイト)
- 工場のライン(アルバイト)
- 家庭教師(アルバイト)
- 飲食店(アルバイト)
- 清掃員(アルバイト)
- プログラマ(本業)
- システムエンジニア(本業)
- プロジェクトマネージャー(本業)
これまでの経験で、仕事上で汗について、困ったことや、乗り越えたことなど、汗かきさんには参考になる部分もあると思うので参考にしてください。
スパーのレジ打ち(アルバイト)

大学時代の夏休みに、短期のアルバイトでやりました。
今と違ってセルフレジもなく、夕方になると長蛇の列ができて、苦労した記憶があります。
よかった点
特に無いです。
強いて言えば、お客さんがいない時に同年代の女性と話ができてことくらいです。
汗かきというコンプレックスのため、高校生時代は、異性との接触がほとんど無かったので、いい経験ができました。
苦労した点
一番苦労した点は、お金の受け渡しです。
手を触れるつもりがなくても、偶然あたることもあり、汗で不快な思いをさせないように、絶えず注意していました。
あとは、イライラしているお客さんや、長蛇の列が出来たりした時に、ストレス、緊張などで、汗がでることがありました。
レジをやっている時、途中で汗を拭くことができず、苦労した覚えがあります。
アドバイス
正直、個人的にはあまり汗かきさんには、適していない仕事だと思いました。
最近は、コロナで手袋をしている店員や、お金を直接渡さず、トレー経由だったりするところもあるので、そんな店では、働きやすいかもしません。
工場のライン(アルバイト)

大学時代にやった仕事ですが、流れてくる部品をひたすら、基盤に取り付ける作業でした。
よかった点
温度調整が必要な部品のため、冷房がしっかり効いており、汗で苦労した記憶はあまりありません。
また、静電気を防ぐための手袋をしていたので、汗で製品を汚してしまうようなことも無かった点も良かったです。
苦労した点
汗とは関係ないですが、ひたすら同じ作業をやることが、個人的には向いてなく、苦痛でした。
アドバイス
その企業によるのかも知れませんが、手汗の悩みがある私としては、冷房、手袋という条件が揃っていたので良かったです。
ただし、多汗症のレベルが3で、手袋が汗でビチャビチャになるくらのレベルの方は難しいかもしれないです。
家庭教師(アルバイト)

大学生の時に、中学生の家庭教師をしました。
よかった点
教えている子も暑がりだったため、冷房をかけていることが多く助かりました。
苦労した点
やっぱり同じノートに何かを書くことがあるので、その時に汗で相手のノートがフニャフニャにならないように気を使っていました。
途中から、説明の時は自分のメモに書くようにしてましたが、それでも自分のノートがフニャフニャになって、苦労しました。
アドバイス
今思えば、相手に多汗症であることを言っておけば、楽だったと思いますが、当時は、説明するのは難しかっただろうと思います。
その状態であれば、やはり、家庭教師は苦労というか気を使うことが多かったという印象です。
飲食店(アルバイト)

大学生時代に、某ファミレスでアルバイトしていました。アルバイトとしては、一番長かったと思います。
ポイントは接客(ホール)ではなく、調理場(キッチン)の方でした。
よかった点
作業としては、簡単な調理、盛り付け、皿洗い、食材の仕入れなどで、作業としても特に苦にはならなかったです。
火を使うので基本的には暑いのですが、逆に暑いので、汗をかいていてもそこまで気にされることは無かったです。
また、手を絶えず洗うようなルールになっていたので、手汗をかいたら手を洗うようにできる点も良かったです。
苦労した点
汗かきだからといった理由で、苦労した点は無かったです。
アドバイス
調理人は、汗かきの人にとっては、逆に適した職業かもしれません。
ただし、このアルバイトでもそうですが、接客が必要になります。人の前に立つと緊張して汗をかいてしまうような方は、苦労する部分があるかもしれません。
アルバイトで飲食店のキッチンで働く場合は、人が足りない時などに、ホールに出ることがあるか確認しておいた方がいいと思います。
清掃員(アルバイト)

大学時代に、短期のアルバイトでビルの清掃をやりました。
床を拭いたり、ゴミを集めたりする仕事です。
よかった点
清掃員なので、タオルを首から下げて作業できました。(先輩がそうしていたので)
概ね冷房もきいているので、特別暑いということもなく、タオルもあるので問題ないです。
苦労した点
作業着の色がグレーに近い色だったので、汗ジミが気になりました。
何個かのビルを受け持つのですが、ビルによっては冷房がきいていないところがあります。
アドバイス
汗は特に気になることは無かったと記憶しています。
おばちゃんの割合が多く、力仕事を率先してしてあげると、打ち解けることができて、割と楽しかったです。
プログラマー(本業)

私はITエンジニアというカテゴリの職業に携わって、もうすぐ30年です。多汗症持ちですが、何とか継続して働き続けています。
ITエンジニアとしてのキャリアとしては、「プログラマー」 → 「システムエンジニア(SE)」 → 「プロジェクトマネージャー」というキャリアを進んでいきます。
なので、プログラマーというのは、新入社員でこの業界に入った場合の最初のステップです。
仕事の内容としては、仕様書と呼ばれるシステムの動きが書かれた資料に基づき、コード書いて、テスト行います。また、操作マニュアルなどの資料も作成したりします。
よかった点
自分のデスクで自由な服装で、割と自由に作業できるので、汗をかいたら拭けばいいし、卓上扇風機は冬でも使い放題でした。
業界的にコミュニケーションが苦手とする人もいるので、割とそれぞれで作業をするという感じなのも合ってました。
今でもコーディング自体は好きで、本当は、今のやりたいくらいです。
苦労した点
汗かきだから困るというのは、あまりありませんでした。
パソコンにメモリーやハードディスクを追加したりすることがあり、汗で機器が壊れないように注意した記憶があります。
あとは、お客さまへの納品に付き添い、サーバーを設置することがまれにあり、その時は汗をかいて、「なんでそんなに汗をかいている?」って言われたことがありました。
アドバイス
最近はプログラマーは、自宅で作業することができる企業も多くあるので、おすすめです。
ただし、年齢を重ね、それなりの給与をもらうには、その次(システムエンジニア)にステップアップするか、専門的なスキルを身につけて、技術者として特別な存在になる必要があります。
結局、違う職業でも同じかもしれませんが、何かしら強みを見つけて、成長していく必要はあります。
システムエンジニア(本業)

ITエンジニアとしてのキャリアとしては、ステップ2といえる「システムエンジニア」ですが、お客さまの要望をどんな仕組みで実現するかを検討、設計する仕事です。
検討した結果を元に、先ほどのプログラマーが開発したり、自分で開発したりします。
基本的には、お客さまの要望を理解し、それをシステム的にどうやったらできるかを、技術的なことを考慮しながら具体化する発想力などが必要です。
こう書くと難しく感じるかもしれませんが、最初のうちは、どんな画面構成にするかなどから考える簡単な設計から入っていくので、少しずつ慣れていくので大丈夫です。
よかった点
プログラマーと同様に、自分のデスクで作業することが多く、汗で困ることはありませんでした。
プログラマーよりも難易度は当然高いですが、やりがいもあり、いろいろと考えることが好きだった自分には合っていました。
苦労した点
この辺りから、お客さまとやりとりすることが、出てきます。
打合せ、出張、電話対応など、日常と違う場面で、緊張から汗をかいてしまうことがありました。
30年前は、納品前になると徹夜で作業するようなこともあり、汗+臭いが気になていましたが、汗臭い人も結構したりして、そこまで気にしていませんでした。もちろん、今はそんな徹夜なんてことは、ほぼ無いと思います。
アドバイス
プログラマー同様に、最近は、自宅で作業することができる企業も多くあるので、おすすめです。
システムエンジニアで経験を積むと、当時はそういった考え無かったですが、近年はフリーで働くという選択肢も出てきます。
当然、フリーであれば、自由もきくので、汗にまつわるトラブルは減るかもしれません。ただし、将来的に仕事の永続的な確保など課題もあり、一概におすすめはできません。
プロジェクトマネージャー(本業)

ITエンジニアとしてのキャリアとしては、ステップ3といえる「プロジェクトマネージャー」ですが、システム全体の機能だったり、予算、納期など、さまざまなことを管理する仕事です。
当然、営業と一緒に、お客さまへ訪問などして、システムの機能などの調整も必要です。
ちなみに、汗かき侍は、中小企業ではありますが、この「プロジェクトマネージャー」という立場になっています。
よかった点
プログラマー、システムエンジニアと同様に、自分のデスクで作業することが多く、汗で困ることはありませんでした。
苦労した点
打合せ、出張、電話対応などの業務は、他の職種よりも断然多く、しかも、相手企業の偉い方との打合せもあり、緊張から汗をかいてしまうことがありました。
アドバイス
ITエンジニアとして、最終的な目標地点の一つではありますが、あえて、システムエンジニアに留まるのも選択肢の一つではあります。
私の場合は、お客さまが製造業が多かったこともあって、汗をかいても特に指摘されることも少なく、実はどのポジションでも汗で苦労することはあまりありませんでした。
ただし、ITエンジニアの世界では、SESといって客先に派遣されて仕事をするような企業もあります。また、納期が極端に短いなど残業が多い企業などもあります。
ITエンジニアとしては、働くには、就職先の企業の良し悪しによって、違いが大きくあり、企業選びも重要です。
そのためにも、未経験だとしても、プログラミングスクールなどに通って、ある程度、技術を身につけて、就職を少しでも優位に勧めれるようにすることは重要だと思います。
まとめ
汗かき侍の経験としては、以下がおすすめの仕事です。
- アルバイトの中では、飲食店のキッチン、清掃業
- 本業としては、ITエンジニア(プログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー)
ただし、25年くらいITエンジニアの業界にいますが、企業ごとで環境などの差が大きいので、就職先を選ぶ際には注意してください。
特に劣悪な環境の企業を選んだ場合は、精神的なストレスも大きい可能性があります。
ちょっとでも有利に就職活動がすすめられるように、プログラミングスクールなどで、技術を身につけておくといいと思います。
最後に、近年、リモートワークが普及して、ITエンジニアはリモートワークが適応されやすく、汗かきさんが働くにはいい企業も多くあります。
汗かきが原因で就職先に悩んでいる方は、選択肢の一つとして、一度検討してみてください。
この記事が自分にあった仕事を見ける参考に少しでもなれば幸いです。